PubMed、Nature Medicine、スタンフォード大学、ハーバード大学、欧州睡眠学会。
世界中の研究機関が発信する論文や研究レポートを読み続けました。
最初は英語も十分に理解できず、専門用語も難解でした。
それでも調べ続けたのは、自分自身が救われたかったからです。
研究を重ねる中で、私は大きな衝撃を受けました。
眠っている間に、脳は記憶を整理し、身体は細胞を修復し、感情を整え、免疫機能を再構築している。
睡眠とは、人間を毎晩つくり直している生命活動そのものでした。
そして、気づいたのです。
人生がうまくいかない原因の多くは、能力不足ではないのかもしれない。
本来の力を発揮できないほど、睡眠が失われているだけなのかもしれない。
しかし同時に、もう一つの大きな課題にも気づきました。
世界には膨大な睡眠研究が存在しているにもかかわらず、その知識はほとんど一般の人に届いていないのです。
英語で書かれた論文。
専門家同士でしか理解できない用語。
研究室の中に眠ったままの貴重な知見。
本来であれば、不眠に悩む人も、仕事に追われる人も、子育てをする親も、夢に向かって努力する若者も、誰もが知るべき情報であるはずでした。
それなのに、それを理解し活用できる人は、ごく一部に限られている。
私は強い疑問を抱きました。
「世界中の研究は、誰のために存在しているのだろう。」
研究者のためでしょうか。
専門家のためでしょうか。
違う。
本来は、今この瞬間も眠れずに苦しんでいる人のためにあるはずです。
もし、世界中の睡眠研究を誰にでも分かる形で届けられたら。
もし、最先端の知見を毎日の眠りの中で体験できるようにできたら。
人々の人生は変わるのではないか。
その想いは、やがて私自身の使命へと変わっていきました。